ころりん ころらど

ころりん ころらど
~ラテンアメリカやスペイン語圏の絵本を中心にご紹介します~

せかいの みんなの パン・パン・パン!

2024年4月7日

  • タイトル
    せかいの みんなの パン・パン・パン!
  • 原題
    The Only Way to Make Bread
  • クリスティーナ・キンテロ(Cristina Quintero)
  • サラ・ゴンサレス(Sarah Gonzales)
  • 発行年
    2024
  • 出版社
    ほるぷ出版
  • 対象
    4、5歳~

世界にはいろんなパンがある。

ふかふかのパン、ぺたんこのパン、味もちがえば形もちがう。

でも、パンづくりでいちばん大切なのはね…

。。。

ほるぷ出版さんからの刊行になりました。

内容紹介(ほるぷ出版HPより)

せかいには いろんなパンがある。

どうやって つくるか しってる?

こむぎこ ライむぎこ トウモロコシこ

しおに たまごに ぎゅうにゅう バター

やきあがりは ふわふわ ぱさぱさ

ふっくら ぺったり…!

きみのパンと わたしのパン、

かたちもちがえば あじもちがう。

でもね、パンづくりで いちばん たいせつなことはね…

パンを通して、多文化にふれる絵本。
アレパ(コロンビアのパン)、パンデサル(フィリピンのパン)のレシピつき

所感

異文化の人々と共に暮らすこと。これは、日本の子どもたちにとっては、ややもすると難しいテーマかもしれません。でもこの絵本は、そういう線をひょいと飛び越えているように思えるのです。

かつてベネズエラに渡ったころ、毎朝アレパを食べて学校へ行き、アレパをおやつに食べていました。食文化が言葉や国境をこえて人々を笑顔にすることを、あの頃たしかに実感していました。

News

せかいの みんなの パン・パン・パン!』のイラストを担当されたサラ・ゴンザレスさんが、2024年エズラ・ジャック・キーツ賞を受賞されたそうです。「人間や家族をテーマにし、民族や社会の多様性を重視する絵本作家やイラストレーターに授与される」賞とのこと。

サラさんのEJK賞の受賞の言葉(一部引用)が素敵です。
「移民家族としてレジリエンスの過程で、私たちは個人としても集団としても強くありました。クリスティーナの美しい言葉で、コミュニティとして分かちあう強さ、子ども時代の思い出のあたたかさ、そしてパンを焼くしあわせを表現したいと思ったのです」

そして、この絵本のはじまりにある、作者のクリスティーナさんの言葉もここに…
「たくさんの愛をこめて、この本を父と母と兄弟姉妹にささげます。そして、たとえ遠くはなれても、心のどこかに故郷をもちつづけているすべての冒険者たちへ」

TOP