ころりん ころらど

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~ラテンアメリカやスペイン語圏の絵本を中心にご紹介します~

のろまのネストル

2021年9月13日

  • 原題
    Que’ Nin~o ma’s lento!
  • 作者
    ルシア・セラーノ(Lucia Serrano)
  • 発行年
    2010年
  • 出版社
    フォンド・デ・クルトゥーラ・エコノミカ社
  • その他
    メキシコのフォンド・デ・クルトゥーラ・エコノミカ社主催
    絵本 コンクール 風の岸辺賞(A la orilla del viento) 受賞作

あらすじ

ネストルは、他の子とちょっとちがいます。朝おきて、ごはんをたべて、学校へ行き、勉強します…。でも、いつも ゆっくり ゆくりのネストル。たとえ、どんなにみんなが急いでいても、ネストルは いつも しあわせでした。ネストルには 心の中になる「タン・タン・タン」という じぶんだけの リズムがきこえるのです。

ところがある日、「タン・タン・タン」が きこえなくなってしまったのです。すると、おかあさんのこえが きこえてきました。それから、おとうさんのこえも、おねえさんのこえも、せんせいのこえも、そしてクラスのみんなのこえも…。

「のろまの ネストル!」

それからと いうもの、ネストルは朝はやくおきることも、あさごはんをたべることも、がっこうへいくことも、ともだちとあそぶこともできなくなってしまいました。

かなしい、おこりんぼの、はいいろの心の子どもになってしまったのです。

でもある日のこと、また、聞こえてきたんです。かすかな、小さな音で「タン・タン・タン」って…。

でも、いったい、どこから…?

そこは、ひろい みどりが いっぱいの ばしょ。

みんなが じぶんのリズムで くらしています。

「タン・タン・タン」って、きこえたら。

「タン・タン・タン」って、こたえます。

これからも、ゆっくり ゆっくりの ネストル。

感想

子どもを、おとなのペースでふりまわしてしまうこと、よくありますよね。子どもたちいわく、わたしが おこるときは 「ママは ゴリラになる」そうです。うまいこというなぁ…なんて感心している場合ではなくて、せわしない日常で、大切なことを見失わないようにしないと。そんな気持ちになりました。

作者について

ルシア・セラーノ

1983年、スペインのマドリッド生まれ。マドリッド コンプルテンセ大学で美術を学び、その後、バルセロナの美術学校で学ぶ。2009年のフォンド・デ・ラ・クルトゥーラ社「風の岸辺賞」受賞作。

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