ころりん ころらど

ころりん ころらど
~ラテンアメリカやスペイン語圏の絵本を中心にご紹介します~

たび

2021年9月13日

  • 原題
    El viaje
  • 作者
    マリア・デ・ラ・ルス・ウリベ、フェルナンド・クラーン
  • 発行年
    2010年
  • 出版社
    レクレア・リブロス(Recrea Libros)
  • その他
    ※2005年にスペインのSM社から出ていたものを、2010年にチリの出版社から絵本として刊行されました。

あらすじ

あおいとりのチックとタックは旅にでることにしました。「たびにでましょう!にもつはいほとんどいらない」と、チック。

いっぽう、そなえあればうれいなしと あれこれ よういするタック。そして、にもつは どんどんふえていくばかり…。

ようやく、空へたびたつチックとタック。ところが、にもつがじゃまして うまくとべません。

そこで、スーツケースを 空からおとすことに…。おつぎは コート、それから みずぎ、なべ、ロープ、ほうたい…、

つぎつぎと みがるになっていきます。

タックが チックにいいました。

「たびにでかけよう! にもつは ほとんど いらない。 ふくも すこしで じゅうぶん」

作者について

マリア・デ・ラ・ルス・ウリベ(María de la Luz Uríbe)

1936年、チリのサンティアゴ生まれ。詩人。子ども向けに多くの作品を手掛け、夫のフェルナンド・クラーンとの共作は20作品を超える。1995年にスペインのシッチェスにて逝去。

フェルナンド・クラーン (Fernando Krahn)

1935-2010年。チリの風刺漫画家および造形芸術家。ザ・ニューヨーカーなどの新聞で作品が掲載されていたが、1973年の軍事クーデターの後、スペインのバルセロナに移り住んだ。手掛けた子ども向け書籍の作品数は40作品を超える。2010年に逝去。

感想

モノにふりまわされると、心まで重くなって身動きできなくなってしまいます。いつでもカバン一つで旅立てるような生き方でいたいな。

それなのに、気づくと モノにしばられています。本当に必要なものは???

シンプルに生きたいものですね。

おはなしのいちぶ

チックは、タックにいいました。

「たびに いきましょう。 にもつは ほとんど いらない。

 ふくも すこしで じゅうぶん」

タックは、こたえました。

「ぼくは、スーツケースをもっていくよ。

 なにがあるか、わからないもの。」

タックのもちものは スーツケース、ぼうし、コート、

それから みずぎ、川をわたるかもしれないから。

それから…

・ ・・・・・

チックは、タックをみていいました。

「このままでは、むりよ」

スーツケースが おちていき、

おつぎは コート、みずぎは 川へ。

さいごに のこったのは、

つばひろの ぼうしだけ。

タックは、チックにいいました。

「たびにでかけよう! にもつは ほとんど いらない。

  ふくも すこしで じゅうぶん」

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