ころりん ころらど

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~ラテンアメリカやスペイン語圏の絵本を中心にご紹介します~

フリーダ・カーロの日記ー新たなまなざし

2023年4月11日

  • タイトル
    フリーダ・カーロの日記ー新たなまなざし
  • 原題
    El diario de Frida Kahlo
  • 作者
    フリーダ・カーロ
  • 星野由美、細野豊
  • 発行年
    2023年
  • 出版社
    冨山房インターナショナル

メキシコを代表する画家フリーダ·カーロが、自ら描き綴った真実の独白。
『フリーダ·カーロの日記』待望の日本語版

度重なる手術、流産、離婚、復縁…精神を保つために絵を描き、ディエゴを愛し傷つき、間違いを繰り返し、それでもディエゴでないとダメだと気づく。彼との関係性を探り、母となり、同志、分身となりながら模索する軌跡。原書を手にした時、フリーダの絵の迫力に引き込まれました。感情のほとばしるままに詩や手紙に綴り、色鉛筆、インク、クレヨンを用いた絵の数々。心の叫び、自問自答。それは心の奥底にあるありのままの声…。


メキシコを代表する画家フリーダ·カーロ。彼女は人生最後の10年間に日記を綴り、そこを内奥の空間、避難所、魂を映す鏡とした。本書はメキシコ人美術専門家カレン・コルデロ・レイマンとエドゥアルド・カサールの解説により、日記の中でフリーダを感じ、絵と文を鑑賞し、この二つの才能がいかに共存しているか知ることができるだろう。そこから五感と想像力が呼び覚まされ、絵と言葉が融合し、読者は別の局面へ導かれる。そして観客となって、フリーダの声を聞き、彼女の息遣いを感じ、美しさに感動し、ブラックユーモアに笑うであろう。(裏表紙より)


ページを開くと、のびやかに即興的に描かれた形態や色彩が溢 れ出て圧巻だ。文字も原色の色インク、クレヨンなどで書かれ、絵と文が渾然と一体化している。気に入った詩、ディエゴへの愛のメッセージ、政治的信条、死への想い…そこに は表向きではない、ありのままのフリーダの命の躍動がほとばしり出ていて、胸を打つ。「青い館」がフリーダの宇宙そのものだとするならば、日記はこの館の、今も止むことなく脈 打つ心臓であるかのようだ。(堀尾眞紀子 解説より)


<著者・解説・訳者紹介>

著者:フリーダ·カーロ
1907年7月6日、メキシコ市の郊外コヨアカン生まれ。ドイツからの移民でハンガリー系ユダヤ人の写真家である父、ギィェルモ・カーロと、スペイン人とインディオの混血である母マティルデ・カルデロンの間に生まれる。6歳で小児麻痺を患い、18歳の時、乗っていたバスに路面電車が衝突する事故に遭遇し、脊髄、鎖骨、肋骨、骨盤を骨折する重傷を負う。以後、30数回にわたる手術を受け、絶えず背骨と右足の痛みに苛まれることとなった。医師を志していたが、事故を機に断念。療養中に絵を描き始め、「自分自身を描く」ことが生涯のテーマとなる。1929年、メキシコの壁画運動家ディエゴ・リベラと結婚。事故の後遺症、夫の女性関係、度重なる流産など、様々な苦悩と闘いながら、200点あまりの作品を創作した。また、ディエゴとともに共産主義者として活動する一方、華やかな恋愛遍歴を重ねた。1954年7月13日、肺塞栓症を起こし死亡。47歳。

解説:堀尾 眞紀子(ほりお  まきこ)
日本の美術史学者、文化学園大学名誉教授。東京藝術大学美術学部、同大学院美術研究科修了。フランス国立パリ美術工芸大学留学。主な研究として造形とその文化背景。また国内外の造形作家、特に女性画家の研究。メキシコの女性画家フリーダ・カーロを日本に初めて紹介したことでも知られる。著書に『画家たちの原風景〔第35 回日本エッセイスト・クラブ賞受賞〕』(NHK 出版)、『フリーダ・カーロ 引き裂かれた自画像』(中央公論社)、『絵筆は語る』(清流出版)、『フリーダ・カーロとディエゴ・リベラ』(ランダムハウス講談社)、『女性画家10 の叫び』(岩波書店)など多数。日本エッセイスト・クラブ会員・常任理事、日本ペンクラブ会員、ほか。

訳者:星野 由美(ほしの  ゆみ)
翻訳家。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、1995 年にベネズエラへ渡り、帰国後は在日中南米人向け衛星放送局、在日ペルー大使館に勤務した。現在はスペイン語圏の詩と絵本を中心に翻訳をしている。翻訳詩集(共訳) に『ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集』( 土曜美術社出版販売)、『金子みすゞ 日西対訳詩集 El alma de las flores(花のたましい)』、『宮沢賢治 日西対訳詩集 Una luz que perdura(ひかりは たもち) 』(いずれもSatori Ediciones)がある。 絵本の翻訳には『いっぽんのせんとマヌエル』、『どうしてなくの?』(ともに偕成社)、『お話しの種をまいて―プエルトリコ出身の司書プーラ・ベルプレ』、『たかくとびたて女の子』(ともに汐文社)、『わたしたち』(岩崎書店)、『まぼろしのおはなし』、『なぞなぞえほん ぴぅ!』(ワールドライブラリー)等。

訳者:細野 豊(ほその  ゆたか)
詩人、翻訳家。東京外国語大学スペイン語科卒業。通算十七年余りラテンアメリカ諸国に滞在。2009 年ー 2011年日本詩人クラブ理事長、2013 年ー2015 年同クラブ会長を歴任。詩集に『Dioses en Rebeldía(反逆の神々)』(メキシコ首都圏大学)、『薄笑いの仮面』(青樹社)、『悲しみの尽きるところから』、『花狩人』、『女乗りの自転車と黒い診察鞄』、『細野豊詩集』(いずれも土曜美術社出版販売)がある。共訳詩集に『現代メキシコ詩集』、『ロルカと二七年世代の詩人たち』、『ペルー日系詩人ホセ・ワタナベ詩集』(土曜美術社出版販売)、訳詩集に『ぼくは書きたいのに、出てくるのは泡ばかり―日系ボリビア詩人ペドロ・シモセ詩集』(現代企画室)、『アンバル・パスト詩集』(土曜美術社出版販売)、翻訳小説に『無分別(オラシオ・カステジャーノス・モヤ) 』(白水社)等。


2023.7.1
朝日新聞 横尾忠則先生による書評が掲載されました。

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フリーダ・カーロの日記
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