トマスはどこ?
2021年9月13日
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原題¿Dónde está Tomás?
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文ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif)
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絵レイレ・サラベリア (Leire Salaberria)
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発行年2016年
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出版社エカレ・スール社(Ediciones Ekare Sur)
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対象3歳~
概要(出版社ブログから)
トマスは、かくれんぼが だいすき。「トマスはどこ?」 ママが家のなかを あちこちさがしているあいだ、トマスははるか遠い世界へイマジネーションの旅をしています。かいじゅうのおもちゃは、火山の噴火の中でかいじゅうたちを眺める台地へトマスを連れていき、ユニコーンのおもちゃとゴリラの時計は、ユニコーンに乗りゴリラたちのいるジャングルへ、バケツは月旅行へ向かう宇宙飛行士のヘルメットに、鳥の絵のシャワーカーテンは南の島へ向かう鳥の群れとなり、さいごはなんとベッドカバーにいたたジャガーとおしゃべりを楽しんで…。
「トマスはどこ?」と繰り返されるたびにトーマスが体験するイマジネーションの旅は、レイレ・サラべリアの色鮮やかな見事なイラストで描かれています。彼女のイラストは身の回りにある身近なモノに親しみを湧かせるだけでなく、冒険の旅の楽しさも読者に伝えてくれます。
この絵本は、子どもたちにとって想像の船に乗ってトマスと旅する遊びの絵本でありながらも、大人たちもまたこの絵本の凝ったしくみに驚かずにはいられないでしょう。現実と想像の世界を行き来し、かくれんぼから始まるちょっとした目配せからダイナミックな遊びへ繋がっていきます。夢と現実が入り交じる(日常と非日常が融合する)『魔術的リアリズムMagishcer Realismus』の魅力に触れる作品です。
あらすじ
トマスは、かくれんぼが だいすき。いたずらっこのトマスのかくれ場所は台所、洗濯場、トイレ、ベッドの中、おもちゃ箱・・・。ママが家中をあちこち探しまわっている間、トマスは想像の旅の真っ最中。大昔の火山の噴火をながめたり、ゴリラがくらすジャングルでユニコーンの背にのったり、宇宙飛行士になって宇宙を旅したり、南の島の空をとんだり、ジャガーとおしゃべりしたり・・・。
こんがりケーキが焼けた頃、とうとうママはおもちゃ箱の中にいたトマスを見つけました。トマスは身の回りにあるものにインスピレーションを受けてイマジネーションの旅をしていたのです。 ところが、夢を見ていたのは、どうやらトマスだけではなかったみたい・・・。
作者について
文:ミカエラ・チリフ(Micaela Chirif)
ペルー、リマ生まれ。詩人、絵本作家。子どもに関する文化プロジェクトのコーディネーターとして、ウェブサイトから書籍選集に至るまでさまざまなメディアで活躍。大人向けの詩集も出版している。
主な作品
詩集
2001年 『帰路で(De vuelta)』
2008年 『ありふれた空』
2012年 『枕に頭をのせて(Sobre mi almohada una cabeza)』
絵本
2008年 『アントニオさんとアホウドリ(Don Antonio y el albatros)』ホセ・ワタナベ氏との共著
2008年 『おやすみなさい、マルティーナ(Buenas noches, Martina)』ホワイトレイブン選定
2010年 『ことばのかたちについて(En forma de palabras)』
2011年 『かるわざし(El contorsionista)』
2013年 『あさごはん(Desayuno)』ホワイトレイブン選定、ブラジルで翻訳出版される
2013年 『いいこにして、マストドン!(Ma’s te vale mastodonte)』
第17回絵本コンクールで、「風の岸辺賞(A la orilla del viento)」受賞作品
絵:レイレ・サラベリア (LEIRE SALABERRIA)
1983年、スペインのアンドアイン生まれ。ビルバオの大学で美術を専攻、その後バルセロナの大学院で児童向けイラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。2012年ボローニャブックフェア入選、2013、2014年 イベロアメリカ・イラストカタログ入選、2014年 シャルジャ国際ブックフェア特別賞受賞。彼女の絵本はスペインをはじめメキシコ、イタリア等で出版されている。
おはなしのいちぶ
トマスは、かくれんぼが だいすき。
さて、どこにかくれたかな?
ママが、トマスをさがしています。
「トマス!トマス!」
でも、トマスには、きこえません。
だって、火をふく山がみえるから!
。。。
トマスったら、とおくへ いってしまったの?
ええ!トマスはとおいとおいところにいました。
月のまわりを、ふわふわうかんでいます。