カメとクロジャガー 04-0419_IN01

こどものとも 年中向き 

カメとクロジャガー ペルーの昔話

採話・原文:ルイス・ウルテアガ LUIS URTEAGA

再話:星野由美

絵:あべ弘士

発行年:2021年2月号 出版社:福音館書店

母の友 キツネとコンドル

母の友 

読んであげるお話のページ

キツネとコンドルーアンデスの昔話

文:星野由美

画:早川純子

発行年:2021年2月号 出版社:福音館書店

ペルーのアマゾンの昔ばなし『カメとクロジャガー』と、アンデスの昔ばなし『キツネとコンドル』が、福音館書店さん2月号に掲載となりました。

「カメとクロジャガー」は、ペルーのアマゾンにくらすシピボ=コニボ族に伝わるお話です。作者のウルテアガさんは、10年にわたる彼らとの共同生活で、アマゾンの魅力的な寓話をたくさん収集されました。絵は、アマゾンの上流を旅した経験をお持ちの、あべ弘士先生が描いてくださっています。クロジャガーのほれぼれする”どや顔”がたまりません。

「キツネとコンドル」は、アンデスの栽培植物の起源のお話です。ペルー、チリ、ボリビア、アルゼンチンなど、国によってさまざまなバージョンのお話があります。本来、キツネは臆病で利口もの、勘のよい夜行性のすばしこい動物ですが、寓話の世界では善と悪を象徴するキャラクターとして登場します。おおよその物語の中でキツネは悪の象徴、相手となる動物が善となることが多いようです。

今回は、「天の神」とも言われるコンドルと、大食いで食い意地のはったキツネのお話です。絵は、早川純子さん。味わいのあるキツネとコンドル、素晴らしいです。文献をあたりながらの長い時間がかかる作業でしたが、アマゾンとアンデスのお話を楽しんでいただけたらうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

■福音館書店(内容紹介より)

湖のほとりで、カメとクロジャガーが出会いました。なりゆきでクロジャガーと力比べをすることになってしまったカメ。木のつるでお互いを引っ張り合う綱引きです。勝ち目のない勝負に思えましたが、カメは湖を見て、ある策を思いつきます。弱い者が知恵を使って強い者を打ち負かす、痛快な昔話。アマゾンならではの生き物たちの姿も見応えたっぷりです。

■ シピボ=コニボ族の世界観

ペルー文化省の先住民調査によると、シピポ=コニボ族の世界観には4つの世界があるそうです。1つめは水の世界、2つめは人類や動植物の世界、3つめは悪魔や悪霊の世界、4つめは父なる太陽と精霊の世界です。この4つの世界を行き来できるのがチャマン(シャーマン)です。チャマンは儀式の中でアヤワスカという植物を摂取して、様々な生き物と交信したり、動物の霊を憑依させ、人間を超越した力を身につけます。憑依するのはジャガー、ヘビ、ピューマ等の限られた動物だけで、中でもジャガーは別格の存在とされ、最高の位に達したチャマンにだけ乗りうつると言われています。

■ お話しのいちぶ

むかしむかし アマゾンの ジャングルに、

つよくて おそろしい クロジャガーが すんでいました。

クロジャガーが あらわれると、

どうぶつたちは みんな ブルブル ふるえあがりました。

ところが そんな クロジャガーにも、にがてなことが ありました。

みずのなかに ぜったいに はいろうと しません。

クロジャガーは およげなかったのです。

。。。