Kanekomisuzu el alma de las flores

■ 原書の情報
El alma de las flores(花のたましい)
詩:金子みすゞ
共編訳:マリア・ホセ・フェラーダ、星野由美
発行年:2019年
出版社:Satori Ediciones

詩を訳すということ

金子みすゞバイリンガル詩選集の出版に寄せて

 

この9月に、スペインの出版社Satori Edicionesから、金子みすゞ日西バイリンガル詩選集(スペイン語、日本語、ローマ字表記)を、チリの詩人マリア・ホセ・フェラーダさんとの共編訳で刊行させて頂くことになりました。

 

金子みすゞさんの素朴な詩は、どれも読み手の心に深く響くものです。みすゞさんのやさしい言葉の奥に注がれる深いまなざし、命あるものと命なきものへ寄り添い慈しむ彼女の感性をスペイン語にしていくという作業は、マリア・ホセさんと一緒に言葉を探す未知の旅でもありました。

 

それはいつも楽しいばかりでなく、時に両者譲れないやりとりもあり(笑)、長い時間をかけてまいりましたが、原詩のリズムをできるだけ損なわず、シンプルな言葉選びと、みすゞさんのくりかえしのフレーズの魅力にも心がけました。

 

“Poetry in translation is like taking a shower with a raincoat on.”

「詩の翻訳は、レインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」

 

数年前に観た映画『パターソン』の最後のシーンで、詩人役の永瀬正敏が言うセルフは、今でも心に残っているフレーズです。詩の翻訳は、作品に込められた作者の想いには近づくことができても、言語体系が違う言葉のリズムや音韻の効果までを伝えるのは難しく、限界があるのも事実でしょう。

 

けれど言葉や文化の違いの中に歩み寄れる共通項を探っていく楽しさもまた、詩の翻訳を通じて学んだことでした。それは個を認め、寄り添う気持ちを忘れない「みんなちがって、みんないい」と謳う金子みすゞさんの世界観にも通じているかと思います。

 

スペイン語圏のみなさま、そしてスペイン語に感心のある日本の皆さまにも、みすゞさんの詩を楽しんでいただけることを心から願っています。日本でも、書店さんで購入できるようにお話を進めていますので、またお知らせさせていただければと思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

El alma de las flores kanekomisuzu

私と小鳥と鈴と

 

私が両手をひろげても、

お空はちっとも飛べないが、

飛べる小鳥は私のように、

を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、

きれいな音は出ないけど、

あの鳴る鈴は私のように

たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、

みんなちがって、みんないい。

 

Yo, el pájaro y la campana  

 

Por más que extienda mis brazos,

nunca podré volar por el cielo.

Y el pájaro que vuela, no podrá correr

rápido por la tierra, como yo.

Por más que me balancee

no se producirá un bello sonido.

Y la campana que suena,

no podrá saber tantas canciones como yo.

La campana, el pájaro y yo,

todos diferentes, todos buenos.